Graffiti of Dental Technology

Vol.43 :歯型を精確にブロックアウトする

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はじめに
 最近、いろいろなブロックアウト用の材料が市販されている。代表的なものに、スプレー硬化型の「モデルリペアー」や光重合型の「ブロックアウトレジン」などがある。しかし、いずれも流動性が高く、陥凹部を埋めることには適しているが、形成された軸面に精確に移行する形態にブロックアウトすることや、オーバーフローした余剰部分を取り除くことが難しい。そこで、歯冠修復に用いている光重合タイプのレジンをブロックアウト材として使用した結果、有効と思われたのでその概要を報告する。

 


症例に見る問題点


軸面部のブロックアウト: 上顎5321|345支台のブリッジの症例である。平行性を得るためにアンダーカットの修正を行った部分は、隣接する支台歯軸面のようなシャープな形態に仕上がっていない。

マージン部の気泡の処理: ブロックアウト材が表面張力で、伏せたお椀状を呈し、ショルダー部の形成面と移行していない。

 

技工の術式:ブロックアウト材と仕上がりの比較

 

1.粘性のあるスプレー硬化型ブロックアウト材「モデルリペアー」
モデルリペアー(デンツプライ三金KK): 流動性のあるベース材を陥凹部に充填または塗布し、専用のスプレーを用いて硬化させる。 盛り上げると表面張力できれいな曲面になるが、硬化スプレーを使用すると、収縮により凹凸が生じ、スムースな面に仕上げることが難しい。

 

2.粘性のある光重合型「ブロックアウトレジン」
ブロックアウトレジン(アストラテックKK): 細いシリンジの容器に入ったレジンを陥凹部に直接盛り上げて充填し、光重合させる。 流動性があるために、やはり、歯型軸面に精確に移行させるブロックアウトは難しい。しかし、このブロックアウトレジンは重合後も、モデルリペアーのような凹凸は生じない。

 

3.ワックスタイプの光重合型パターンレジン「LiWa」
LiWa(エーティーディージャパン): 金属床のパターン採得に用いられる光重合型レジン。加熱した探針でインレーワックスのように任意な形態に盛り上げることができる。 この材料は、冷却スプレー、または、冷凍庫で冷やすとエバンスで形成できるようになる。
形成した後、光重合器を用いて硬化させる。表面は、そのままの形状で仕上がる。レジン表面の未重合層を固定するために、万能コーティング材「1・4・ALL」を塗布し、硬化させる。 光重合型の万能コーティング材「1・4・ALL」(エーティーディージャパン): 含浸性に優れ、歯型を硬化させる効果も高い。また、マイクロブラシで塗布するため無駄が少なく経済的である。 

 

4.パテタイプの歯冠修復用光重合型レジン
光重合型の歯冠修復用レジン: パテ状なので、軸面に対し移行的な形態に整えることができる。レジンはダレの少ない硬めのものがよい。

余剰部分を容易に除去し、歯型軸面に移行した精確なブロックアウトができる。光重合器で硬化させると、与えた形態そのままに仕上がる。

マージン部にできた厄介な気泡も、シャープなマージンラインそのままに修正できた。 レジン表面の未重合層を固定するために、歯型全体に光重合型の万能コーティング材「1・4・ALL」を塗布し、硬化させる。

 

おわりに
 ブロックアウトには、モデルリペアータイプの材料もよく用いている。しかし、例の中には、尖角部や稜線部のエッジを精確に再現したい場合がある。こんな時、身近にある歯冠修復用の硬質レジンが便利である。パテのように扱うことができるため、硬化させる前に意にかなった形態に仕上げることができる。また、硬化後もその形態は大きく変化しない。これまで、未重合層部の黒い汚れが目立ったが、光重合タイプの万能コーティング材と併用することで解決できた。小さな気泡を修正する場合には、透明感が強すぎるため、過不足の判別が分かりにくい場合がある。そんな時は、レジンペーストにオペークや濃いステインを少量混ぜた物を使用するとよい。


Presented byM.Ichikawa(歯科技工研修科 市川 正幸)


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