Graffiti of Dental Technology

Vol.41 : ラボ用シリコーン(パテ状)を使ったブロックアウト

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はじめに
 通常、部分床義歯のブロックアウト材として、石膏を用います。石膏でのブロックアウトは硬化時間の調整が難しく、作業用模型を傷つけることなく正確かつ滑沢に仕上げることは容易ではありません。今回、樹脂プレートを用いたOA(oral appliance)やリテーナ−義歯のブロックアウト材としてラボ用シリコーン(パテ状)の特長を生かした簡単、正確にできるブロックアウトの方法を紹介します。


 石膏を用いたブロックアウト。正確に滑沢な面で仕上げるには多少の熟練が必要で作業時間も要し、硬化後の追加や削除などの修正が困難です。  ラボ用シリコーンを用いたブロックアウト。短時間で正確に滑沢に仕上げることができ、硬化後の除去も簡単です。

 ブロックアウト材として使用するラボ用シリコーンのゼタラボ(セルマック・5,800円/5.0kg)。

 厚さ0.2mmに加工し、弾力を持たせたブロックアウト用スパチュラ。
 キャタリストの量で操作時間の調整を行ないます。右は硬化が早く局所的な使用に適し、中央2つは3〜6分間の操作が可能で、広範囲の使用に適しています。

 スパチュラの先にキャタリストを取り、色合いをみながらベースとよく混和します。キャタリストはその都度チューブから出し、新しいものを使用します。
※容器から出して3〜4時間放置すると硬化が著しく遅延する恐れがあります。

 シリコーンを作業用模型に押し付け、スパチュラで延ばしながら、サべイラインが完全に露出するようにブロックアウトします。

 前歯部舌側の歯間部はスパチュラの先端を使い、アンダーカットに押し込むようにブロックアウトを行います。
 作業用模型を傷つけることなく、ブロックアウト面は模型とスムーズに移行しています。義歯およびスプリントとしての 十分な維持力が得られない場合は、スパチュラの弾力を利用し、わずかに不足気味のブロックアウトを行ない、摩擦によって維持力を補うことができます。  樹脂プレートを加熱加圧成形器ミニスター(モリタ)で成形しました。加圧によるシリコーンの変形や移動はありません。
 辺縁を超音波カッターやバーを用いてカットし、樹脂プレートを作業用模型から撤去します。シリコーンの弾力が生かされ作業用模型の破損を最小限に抑えることができます。  操作後のシリコーンは、作業用模型から簡単に綺麗に剥がし取ることができます。

おわりに
 今回、紹介したラボ用シリコーンを用いたブロックアウト法は、石膏に比べ簡単に精度よく滑沢に仕上げることができます。またキャタリストの量を調整することで、作業内容に合った操作時間を確保することができます。歯科技工研修科では流し込みレジンを用いた部分床義歯の製作にも、この方法でブロックアウトを行ない作業の効率化を計っています。また作業用模型の破損が少なくなり、模型を保存しておくことで維持力の調整や、装着後の修理への対応が可能になります。この方法を、日々の臨床に少しでも役立てていただければ幸いです。


Presented by N.Kawamura(歯科技工研修科 河村 昇)


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