Graffiti of Dental Technology
Vol.31 : パターン用レジンを用いたクラスプパターン採得の要点
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| はじめに パターン用レジンを用いて製作したクラスプを鋳造すると内面が荒れやすいという質問を受けることがあります。術者の中にはパターン用レジンは焼却すると鋳肌荒れを生じやすいと思われている傾向もあるようです。しかし、実際はパターン採得時にすでにクラスプ内面に「荒れ」を生じているケースがほとんどを占めています。ワセリンをできるだけ薄く染み込ませるように塗布することで確実な分離と滑沢なパターン内面を得ることができます。また、パターン用レジンを築盛する際に粉液比が不安定であれば粗造な面や境い目を生じやすくなります。今回は良好な内面性状と確実な分離を得るためのワセリンの塗布方法とレジン築盛の実際について紹介します。 |
| ポイント 1 確実な分離を得るために 〜ワセリンは薄く染み込ませる〜 |
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確実にワセリンを塗布するには、毛筆が適している。レジン築盛で使い古した小筆の穂先をカットし「腰」の強い根元付近を利用すれば細部にまでワセリンを薄く塗布することができる。 |
左:レジン築盛用の小筆(銀鈴/直勝筆社)。 |
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絵画用の太く柔らかい毛質の筆は模型表面をなでるように塗布するのには適しているが、「腰」のない毛質は細部にまで穂先が行き届かない欠点がある。 |
内面荒れを生じやすいワセリン塗布例。ワセリンが層として残留している。しかも細部に充分行き届いておらずレジンの分離不良の原因ともなる(矢印)。 |
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ワセリンが表面に残っている場合は、エアーガンで拡散させティッシュでよく拭き取る。模型表面にワセリンが染み込んでいればレジンのモノマーの浸透を防止し分離不良となることはない。 |
ー失敗例ー 撤去直後の荒れたパターン内面。一見すると光沢があり良好に見えるがワセリンを取り込んだまま硬化したものでスコープで観察するとクレーター状に荒れている。 |
| ポイント 2 良好な内面性状を得るために 〜適度な粘性のレジンをタイミング良く〜 |
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レジン築盛前に設計線を黒のシャープペンシルでマークしておく。築盛時に設計線とレジンの色調が同化せず形態を付与しやすい。パターン撤去後は黒ラインが内面に転写され形態修正時の目安ともなる。 |
適度な粘性と流動性を利用して鉤体部から鉤尖部方向へ順次築盛する。筆先に取ったレジン球が柔らかいと感じた場合は2〜3秒待ってタイミングを見計らい、粘性が増してから築盛するとよい。 |
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レジンの築盛に慣れてくると短時間で半円形の形態を付与することができる。設計線からはみ出したレジンは流動性が残るうちに筆先で誘導して形態を整える。 |
築盛約1時間後にパターンを撤去する。インスツルメントを用いてクラスプ尖端部を着脱方向に持ち上げるようにわずかに力を加えれば分離することができる。 |
| 〜良好な内面性状のパターンと鋳造体〜 |
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適合のチェックと研磨完了後のクラスプ内面。シャープミニ(サンドペーパーコーン/中目)でわずかに研磨した後、粒径50μmのアルミナとガラスビーズ でサンドブラスト処理を行なった。 |
完成した支台装置。内面性状の良好なクラスプパターンを採得することにより正確な適合と維持力を得ることができる。 |
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おわりに |
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参考文献 |
Presented byT.Murata(歯科技工研修科 邑田歳幸)