Graffiti of Dental Technology
Vol.29 : 使用中の金属構造義歯の連続切縁レストに適合させる硬質レジンジャケットクラウンの製作
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はじめに
金属構造義歯やアタッチメント、テレスコープなどを支台装置とした金属床義歯は複雑な構造を有し、その上高い精度で顎口腔系と調和してる。また剛性が高く破損しずらいことや咬合を長期にわたり保持できることなどから長く使い続けられる症例が多く、義歯に対する患者の思い入れも大きい。したがって義歯装着後に支台歯に歯冠修復の必要が生じたからといって義歯を再製作することは患者は勿論、術者にとっても物理的、経済的に大きな負担になる。このような症例では使用中の義歯はそのままに、義歯に正確に適合する歯冠修復を行うことができれば患者の負担を軽減することが期待できる。今回は可動式コアー調整法*を応用し、使用中の金属構造義歯の連続切縁レストに適合させる硬質レジンジャケットクラウンの製作術式を紹介する。 |
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装着後3年経過した金属構造義歯。調整を繰り返し、良好に使用されている。
上顎右側中切歯の歯冠修復が必要となったため、今回は使用中の義歯はそのままに、連続切縁レストに正確に適合するように歯冠修復行うこととなった。
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| 通法どおり作業模型を製作し、義歯内面を印記するためのレジンキャップを製作する。 |
パターン用レジンを用いて義歯内面、特に切縁と隅角部を正確に印記した後、支台歯上のレジンキャップと一体化して位置関係を記録する。 |
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| 使い古したシリコンポイントの軸を利用する。スチールバーなどは硬すぎて加工に適さない。 |
一方には抜け出し防止の溝を加工する。ハンドピースに装着し回転させて溝を切る。 |
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| 屈曲を行ったのち、常温重合レジンにてスリーブを作り装置の回転軸受とする。 |
模型にアンダーカットを付与し、レジンのスリーブを常温重合レジンで強固に固定する。 |
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| 繰り返しの作業でも、元の位置に正確に戻るように金属ストッパーを設置する。 |
アンダーカットをシリコンパテで埋め、石膏分離材を塗布する。金属ストッパーは露出させておく。 |
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| シリコンポイントの維持部だけでは石膏コアーを保持するには不十分なためワイヤーをループ状に屈曲し、溶接した。 |
超硬石膏でコアーを採得する。装置が金属ストッパーに正確に接触していることを確認する。 |
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| 石膏硬化後、可動式コアーを可動させ分離する。 |
完成した可動式コアー定位装置。石膏コアーに切縁や隅角部が正確に再現されている。 |
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硬質レジン築盛の前準備として石膏コアー部に石膏硬化材とレジン分離材ジーシーグラディアセパレーターを塗布する。
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石膏コアーを基準にレジンの築盛を行う。切縁と近遠心隅角部を適合させることが機能的意味からも重要である。未重合層の削除量見込んで可動式コアーが少し浮いた状態で築盛を完了する。 |
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| 可動式コアーに朱肉を塗布し、硬質レジンジャケットクラウンの舌面に押し当てて接触部位を印記する。 |
石膏コアーが完全に戻るまで接触部位を確認しながら調整を繰り返す。 |
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| 完成した硬質レジンジャケットクラウン。連続切縁レストとの正確な適合を目標に、本術式を用いたことにより切縁や切縁隅角部の形態を正確に再現することができた。 |
フィットチェッカーにて適合を確認後、調整することなく装着された。義歯は以前と同様の安定が得られている。 |
おわりに
可動式コアー調整法を応用することにより、金属構造義歯と修復物の良好な適合が得られた。この術式は義歯内面の記録が保存されているため模型上で適合試験による調整法が可能で、適合精度と作業の確実性が向上する。今回は硬質レジンジャケットクラウンの製作を紹介したが、硬質レジン前装冠や陶材焼付冠も同様の術式で製作することができる。 |
参考文献
(*)三山善也,水野行博他:使用中の義歯に適合させるクラウンの製作法.歯科技工アトラス4, 医歯薬出版,187〜205
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Presented byT.Matsumoto(歯科技工研修科 松本敏光)
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