Graffiti of Dental Technology


Vol.28 : 模型の固定を迅速に行う
咬合器マウントクリップ「M・Tマウントクリッパー」の使用

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はじめに
 咬合器装着時に上下顎の模型は装着操作が終るまで正確に強固に固定されていなければならない。今回は模型の固定を迅速に簡単に行うことができる咬合器マウントクリップ「M・Tマウントクリッパー」の使用法を紹介する。




M・Tマウントクリッパーの特徴と使用法

 M・Tマウントクリッパーは咬合器装着前の模型を迅速、簡単に固定する器具である。(3600円/6本 エース歯材)  尖端の一方を模型基底面に当てながら広げ、上下顎の模型を挟むように固定する。高さ76mmの模型も固定可能である。

 

 鋭利な尖端が模型基底面の石膏に食い込むため脱落や移動の心配はない。  クリッパーを広げる力をバネ式テンションゲージで計測してみる。尖端間の距離37mmのクリッパーを53mmに広げる力は約500g、76mmでは1700g以上であった。

 

 ワックスでは焼き付けることが出来ない吸水した模型を速やかに模型でも固定することが可能である。  バイトと模型の適合状態や模型同士の接触状態に不安を感じた場合、取り外して直ちに再固定を行うことができる。

 



M・Tマウントクリッパー使用上の要点

安定を得るための設置位置と設置数

 模型同士または咬合床を介して安定している症例に使用するのが基本である。設置位置は咬合接触部位の真上が理想的であり、咬合接触のない部位への設置は模型の変位や浮き上がりを招く恐れがある。


 クリッパーは状況に応じてが3〜4ヶ所に設置する。先端を結んでできる三角形または四角形の面積ができるだけ広い方が模型はより安定する。


安定を得にくい症例
 弾性のあるバイト材を介して模型が安定している場合、クリッパーの力がバイト材を変形させて正確な位置関係を損なう可能性がある  支台歯数に対して咬合を保持している部分が極端に少ない場合や咬合平面に対して傾斜した箇所(青矢印)で咬合を保持している場合も模型の安定は得にくい。



(他の固定方法)

 使い古しのバー、ポイントとステッキーワックスを用いて模型を固定する。ワックスを石膏に確実に焼き付けることが重要である。



 ホットメルトを用いて模型を固定する。グルーの温度は170度に達しているので手指に触れないように慎重に行う。


 ホットメルト(リョービ HM-115A)。棒状のグルーを内蔵ヒーターで軟化して押し出す装置である。  グルーは模型を吸水させると一塊で簡単に取り外すことができる。

おわりに
 歯科技工の効率化を図るために考案された器具の一つとして「M・Tマウントクリッパー」を紹介したが、作業効率ばかりか精度の向上にも寄与していることは言うまでもない。安定とともに正確な固定を得るためには症例に応じた固定方法の選択が重要であり、従来の方法(ステッキーワックスを用いる固定法)の他にホットメルトを用いる方法も紹介した。どの方法も歯科技工研修科ではルーチンワークとして症例技工に応用してきたものなので参考にして頂ければ幸いである。



Presented byY.Miyama(歯科技工研修科 三山善也)


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