Graffiti of Dental Technology


Vol.26:義歯床の辺縁形態について

Part2 下顎前歯部レジンアップ部の義歯床辺縁形態を考える

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はじめに
 Part1では、残存歯に隣接する義歯床辺縁形態の調整法を紹介したが、今回は下顎前歯部のレジンアップ部の義歯床辺縁形態の調整法について報告したいと思います。

理想的なレジンアップ部の辺縁形態

 模型上にレジンアップ相当部を着色したもの。本来なら実質欠損のない部位であるから何も無いことが望ましいのだが、、、。

 基底結節や歯間乳頭部の形態が再現されたレジンアップ部の辺縁形態。

 

義歯のレジンアップ部の辺縁形態の観察

例1 辺縁形態が残存歯に対して移行的になっていないため異物感があると思われる。

例2 残存歯の舌側面形態や歯間乳頭部の形態が再現されていない。

 

石膏模型から残存歯舌側面に移行する義歯床形態を考える
 前歯部舌側面に対して移行していないレジンアップ部の辺縁形態。舌感の悪さや食物の停滞の大きな要因である。  前歯部舌側面に対して移行するレジンアップ部の形態の付与が理想である。

 

臨床例
 症例技工での設計例。基底結節と隣接境界部を覆い、下部鼓形空隙を封鎖する。  参考例。パラフィンワックスを1枚を火炎にて軟化し、残存歯の舌側面形態を活かすように圧接する。

 上縁は舌側歯面に移行し、下縁部はコルベン状の形態として義歯の強度を持たせる。

 基底結節部で最低でも厚さ0.7mmから1.0mmの厚みになるよう調整し、残存歯と移行させる。常に測定する技工を心掛ける。
 解剖的形態を考慮して調整したレジンアップ部は、残存歯と粘膜の形態と移行しているのがわかる。義歯床の下縁付近に最低でも約3.0mmの厚みを与えて義歯の強度を確保する。  解剖的形態を付与することにより、装着感もよく機能的であることが再確認出来た。

 


まとめ
 今回は下顎前歯部レジンアップの義歯床辺縁形態や周辺形態の移行させるための調整法ついて紹介した。義歯の強度、残存歯やその周囲の粘膜形態を考慮した歯肉形成なくしては、機能的で快適な義歯床形態を得ることは難しい。また、今後も義歯床形態や調整法について、細かく観察していきたいと思います。

謝辞
 今回の症例技工は、歯科補綴学第一講座の土田富士夫先生に御協力頂きました。また、歯科補綴学第一講座の滝新典生先生にも御意見頂きました。誠にありがとうございました。

         参考文献 全国歯科技工士教育協議会編集:歯科技工士教本有床義歯技工学2,局部床義歯技工学.医歯薬出版.

Presented by Y.Maeda(歯科技工研修科 前田 祥博)


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