Graffiti of Dental Technology


Vol 17 : 金属床義歯の金属色の透過を防ぐために

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義歯の審美性が良くない!
ースケルトンが見える、色調が暗いー

左右の義歯を比較してみましょう
 歯槽頂付近に幅の広い補強線がありますが、人工歯、義歯床の色調に特に問題を感じません。  義歯床にスケルトンが透過しているため審美性に問題があります(赤印)。

スケルトン、メタルバッキングが色調に影響します
 スケルトンの金属色が人工歯や義歯床の明度を低くしています(赤印)。  メタルバッキング内面の金属色は人工歯の色調に大きく影響します。


金属色が人工歯や義歯床の色調に影響する
原因は? 対策は?

影響を受ける原因は?
 主因子として
 
  • メタルフレーム(スケルトン、アップライト、メタルバッキング、補強構造など)
  • 補強線
  • メタルティース
      などの金属部分が存在することです。
 
   副因子として
 
  • 人工歯を大幅に形態修正(咬合面、基底面)した場合
  • 義歯床が薄い場合
  • 透明度の高い義歯床用材料を使用した場合
     などが挙げられます。

影響を防ぐ対策は?
 審美性に影響があると思われるメタルフレームや補強線などの金属部にオペーク材を用いて金属色の遮蔽を行います。オペーク材として歯冠用硬質レジンのオペークレジンが最適です。接着処理後にオペークレジン塗布を行うとともにオペーク色の透過を緩和させる中間層の形成も必要です。中間層の形成には常温重合レジン(ピンク)を筆積み法にて築盛します。



オペークレジンと常温重合レジンの使い方
ー金属色の遮蔽と中間層の形成 ー

1)歯肉色のオペークレジン
エプリコード(クラレメディカル)の
オペークモデファイアーP
グラディアガム(ジーシー)の
ガムオペーク(GO13)

2)オペークレジンの塗布
 スケルトンに歯肉色と歯冠色のオペークレジンを塗布して金属色を遮蔽します。  スケルトンの金属色ははオペークレジンにて遮蔽されましたが、このままではオペーク色が透過して期待した審美性が得られないことがあります。

3)常温重合レジンを用いた中間層の形成
 義歯床が薄く、透明度の高い材料を使用した場合、オペーク色の透過が起こります(赤印)。  オペークレジンの色調が内部構造の形態のまま透過して審美性を損ねています(赤印)。

  常温重合レジン(ピンク)をオペークレジン表面に筆積み(厚さ0.3〜0.5mm)してオペークレジンの透過を緩和する中間層を形成します(青印)。  オペークレジンを用いた金属色遮蔽と常温重合レジンを用いた中間層の形成により審美的な義歯を装着することができました(上顎義歯)。

4)臼歯部におけるオペークレジンの効果
 金属色の影響が義歯全体に及び、臼歯部の金属色遮蔽の必要性も感じさせる症例です(赤印)。 臼歯部における金属色の遮蔽効果は人工歯、義歯床への影響だけでなく、義歯全体に及ぶものと思われます。

 歯槽頂付近に位置する補強線(矢印)に歯肉色のオペークレジン塗布したレジン床義歯。

前歯部、臼歯部にオペークレジンを用いた金属構造義歯。 オペークレジンの効果が十分に発揮され、患者に美しい義歯と評価されると思います。

おわりに
 患者は義歯が機能的であると同時に、より審美的であることも望みます。金属色の透過は義歯の審美性を損ねるので効果的に金属色を遮蔽する必要があります。そこで歯肉色のオペークレジンと常温重合レジン(ピンク)を併用した金属色の影響のない審美的な義歯の製作を紹介しました。義歯への満足感は患者だけでのものでなく、術者としても共に喜びを分かち合うことができると思います。


<参考>
三山善也:金属床義歯の金属色の透過を防ぐために-オペークレジンの使い方-,DentalMagazine111,192-194,2004


Presented byY.Miyama(歯科技工研修科 三山善也)


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