Graffiti of Dental Technology


Vol.16:SEAL TAPEを用いて隣接面接触点を検査する

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はじめに
 最近、「製品の品質管理」について話題になっている。歯科技工においても、「技工物の品質を管理する」という考え方を取り入れる必要があるように思える。今回は、「SEAL TAPE」(水道やガス管工事に用いるシーリング用テープ)を用いて隣接面接触点の接触状態を調べる適合検査法を紹介する。

 

鋳造冠に付与した接触点
 一見、位置や形状には問題はない。しかし、この接触状態が適正であるという保証はない。
接触強さを検査する
 隣接面接触点の接触強さは、オクルーザルレジストレーションストリップスの引き抜き法で検査できる。
本当に接触点は接触しているのだろうか?
確認する方法は?

SEAL TAPEによる適合検査法

SEAL TAPEについて

圧接のポイント

SEAL TAPE 
 材質:四フッ化エチレン樹脂(厚さ100μm)
水道管に水栓を取り付ける時など、水漏れ防止用にネジ部に巻きつけるシーリング用テープ。
 下段のテープAを引き伸ばすと上段Bのようになる。
(縦方向には伸びないが、横方向にはひも状になり10倍ほどに伸びる。)
 テープは近遠心方向に伸びるように片端を固定し、軽く張った状態で隣接面に押し付ける。全体を軽く圧すると、凹凸のある歯冠形態に容易に圧接できる。また、テープは適度に密着しており、このまま適合検査に移ることができる。

 

SEAL TAPEによる適合検査

シリコン印象材による適合検査

SEAL TAPEを隣接面に圧接した鋳造冠を歯型ごと作業模型に戻す。接触部は圧迫されて薄くなり(20μm程)、白色から透明なる。シリコン印象材と同様に接触状態を視認することができる。1回の検査に10秒とかからず、操作性も優れている。 シリコン印象材を用いた適合検査では、接触状態を明確に視認できる。しかし、術式の煩雑さやシリコン印象材のコストを考えると、日常の技工工程に組み込むにはやや難がある。

 

SEAL TAPEと咬合紙による適合検査結果を比較する

 SEAL TAPEを用ると視認が容易なだけでなく、接触部に隣在歯の形態が圧痕として残り、接触部を三次元的に捉えることができる。また、接触点の検査だけでなく、咬合紙と併用して調整時に用いても効果が上がる。

SEAL TAPEを用いると、接触点の位置や形を決定する上で方向性を出しやすい。

 

まとめ
 SEAL TAPEによる適合検査法は、シリコン印象材を用いた適合検査法と遜色のない結果が得られる。また、テープを切る、圧接する、圧痕をつける
の一連の操作は10秒とかからない。そのため、この術式は技工の流れを止める恐れがない。さらに、10mで200円という低価格は嬉しい。これらのことから、この検査方法は日常の技工工程の中に十分組み込むことが可能であり、技工物の品質管理という点からも大いに評価できる。
 これからも、このSEAL TAPEの技工への応用を考えてゆきたいと思っている。また、チェアサイドでも、完成技工物のチェックに利用できると思います。

参考文献
 椎名 茂:シールテープを応用した咬合調整.日本歯技第417号 .3. 2004
 加賀谷忠樹:歯冠修復物隣接接触部技工の実際その技術的考察(上)歯科技工Vol.10 No.2 1982.3
 加賀谷忠樹:歯冠修復物隣接接触部技工の実際その技術的考察(下)歯科技工Vol.10 No.3 1982.5

 

Presented by M.Ichikawa (歯科技工研修科 市川 正幸)


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