Graffiti of Dental Technology


Vol.9:磁性アタッチメントの技工 

確実に吸引力を得るためのレジンハウジングの製作法と使い方

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はじめに
 マグネットアタッチメントデンチャーを成功させるためには、マグネットを義歯に組み込む際、マグネットとキーパーの間に間隙(エアギャップ)が生じないことが重要です。従来法では、マグネット単体を直接義歯へ合着する際にレジンがアンダーカットに迷入したり、エアギャップが生じて十分な維持力が発揮できないトラブルがありました。そこで、これらを防止するため、あらかじめマグネットが正しく組み込まれたレジンハウジングを製作することで、マグネットアタッチメント本来の維持力を得ることができましたので御紹介します。

 

レジンハウジングの製作

 マグネットにサンドブラスト処理を行ない、メタルプライマーを塗布する  常温重合レジンを築盛する

 常温重合レジン築盛後、カーバイトバーで厚さ約0.5mmに調整する。

 マグネットが取り込まれたレジンハウジング。アタッチメントの吸着面にレジンの迷入は認められない。

 

レジンハウジングの合着術式

 完成した金属床義歯とレジンハウジング。レジンハウジング合着時の義歯の浮き上がりを防止するため、金属床義歯のマグネット装着部の舌側にレジンの遁路を形成しておく。  

 キーパー根面板を支台歯にセメント合着する。金属床義歯のマグネット装着部を暫間裏層材で裏装し装着する。

 金属床義歯の咬合の安定が得られたら、キーパー根面板にレジンハウジングを試適し、適合と維持力を確認する。

 金属床義歯内面とレジンハウジングの接触をフィットチェッカーを用いチェックし、接触部を削除する。

 適量の常温重合レジンを筆積みし、慎重に一装置ずつ合着を行なう。

 咬合圧下でレジンハウジングを金属床義歯に合着する。
 合着後、遁路から溢れ出た余剰な常温重合レジンを除去する。義歯に浮き上がりのないことや、維持力の確認を行ない完成とする。  レジンハウジングが合着された金属床義歯。
 マグネットが組み込まれた金属床義歯床基底面観。設計どおりの位置関係で固定され、レジンハウジング内面に常温重合レジンの迷入も認められない。 
本症例は本学歯科補綴学第一講座の土田富士夫先生に御指導、御協力頂きました。

 

 

メタルハウジングの紹介

 メタルハウジングのパターンは、ハイパースリム専用ハウジングパターンを応用し、コーピング軸面部にパターン用レジンを築盛して採得する。

 メタルハウジングとマグネットは、常温重合レジンで合着する。レジンハウジングに比べ清掃性と堅牢性に優れている。

 


まとめ
 レジンハウジングの特徴として

 ・ キーパー根面板とマグネットを正確に所定の位置に設置することができる。
 ・容易に短時間で製作できる。

 メタルハウジングの特徴として
 ・清掃性と堅牢性を高めることができる。
 ・リライニングの際、義歯に合着されたメタルハウジングを撤去しリライニング後、義歯と再合着できる。

参考文献
  1)前田祥博,水野行博,森戸光彦,細井紀雄:磁性アタッチメントの技工〜メタルハウジングについて〜. 日磁歯誌.7(1):77〜 78,1998
  2)森戸光彦,松本亀治,水野行博,前田祥博:磁性アタッチメントのハウジングについての一考案.補綴誌.45(4):546,2001.

Presented by Y.Maeda(歯科技工研修科 前田 祥博)


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